第15回公演『ランナウェイ』
京都公演|2021年9月9日(木)-9月12日(日) THRATRE E9 KYOTO
作品について
逃げている、逃げて逃げて逃げていま、この空き家にいる。いろいろな名前を使ってここまで逃げてきて結局いまおれは何と名乗っている男なのかすっかりわからなくなってしまったし、そもそもなにから逃げていたのかも忘れてしまったけれど、この空き家にじっとしていればもう思い出さなくてもよい。マジックで書いた髭だってもう消していいのだ。庭先にとうもろこしが一本だけ育っているのを見つけた。貴重な水をそいつと分け合って生きている。おれがまず水を飲み、おれから出る水をそいつにかけてやるのだ、いつかすっかり育ったそいつを食べるために。「サンマルチノ」と誰かが声をかけてくる。そんな名前だったかなと、いう気もする。
水沼 健 コメント
このような話を一年ほど前にぽつぽつと書き始めていたところ、なんだかわからない状況にあっという間に飲み込まれ戸惑っているうちに、話の方がうんともすんとも動かなくなってしまい、しかたがないので動かなくなる前までに書いていたところを使って朗読公演をしたところ、これが意外にもたいへん反応がよく、すっかり気をよくしてしまって、今年その続きをつくることにした、という作品になります。あれから一年ほどたったので、もうそろそろ動いてもらえるかなとは思っています。いまだにあの戸惑いの中にいるようにも思うけど。
クレジット
作・演出|水沼 健
出演|金替康博 内田淳子 F. ジャパン 松原由希子
照明|葛西健一
音響|堂岡俊弘
舞台芸術|柴田隆弘
衣裳|大野知英
舞台監督|浜村修司
制作|垣脇純子 谷口静栄
宣伝イラスト|木村耕太郎
宣伝デザイン|吉川なの葉
協力|劇団衛星 匿名劇檀 MONO ユマニテ リコモーション radio mono
企画・製作・主催|キューカンバー
助成|芸術文化振興基金
京都芸術センター制作支援事業
2021/09/12