出演者からのコメント

金替康博

kanegae

金替です。今年の壁ノ花団はAI・HALLです。
ここ最近公演をしていた元立誠小学校・講堂という場所には空調がありません。なので熱気が凄いことになります。人数が違いますので、特に客席側の熱量はなかなかのものです。申し訳ないなあと思いながら静かに芝居を進めます。
今年の壁ノ花団はAI・HALLです。空調があります。
今年の壁ノ花団は別役実さんの作品です。
最近の水沼さんの作品には長台詞が多々あります。その台詞をじっと動かないで喋っていると頭がボーとしてきます。そのうち何を喋ってるのか分からなくなります。砂漠を歩いてるみたいな感覚です。
今年の壁ノ花団は別役実さんの作品です。しかし長台詞が多々あります。
[金替康博 かねがえやすひろ]1967年6月20日生 福岡県出身 俳優 /MONO所属
第三回公演『悪霊』以降、壁ノ花団の全作品に出演。その他,近年の主な出演舞台に、MONO『のぞき穴、哀愁』(作・演出:土田英生)、ABCホールプロデュース『目頭を押さえた』(作:横山拓也 演出:上田一軒)など。また、『斉藤さん2』(NTV)、『MOZUシーズン1』(TBS)、『夏の終り』(監督:熊切和嘉)などテレビドラマ・映画出演も多数。第2回関西現代演劇俳優賞男優賞受賞


内田淳子

uchida

久しぶりに壁ノ花団に参加させていただき、楽しい日々を過ごしております。
壁ノ花団の、こじんまりした独特のユルい雰囲気が好きです。
静かに、ちまちまと、口数の少ない、まるで不器用な職人さんたちがコッソリ集まって来て、ちまちま作ってみて、やっぱり直してみて、そしてまた静かに帰って行く…そんな感じの現場です。
さて、今回は別役実さんの作品を上演します。
私事ですが、大学で初めて舞台に立ったのが、別役さんの『壊れた風景』でした。発声練習もやったことのない小娘でした。
不条理劇とか何とか、そういうこともちっともわからず(←まぁ、今もよくはわかっていないんですけど。)、人数が少ない弱小演劇部だったから出なきゃいけなかっただけで。
ほんとは歌舞伎研究会に入りたかったけど立命にはなくて、きっと演劇部っていうのも似てるのかも?、と、わけもわからず入部した、いい加減な演劇部員でした。
そんないい加減なことばかりで別役実さんの作品の舞台にたっていたことを、この場をお借りしてお詫びします。
今が真面目とは決して言いませんが、いい加減だった頃にはわからなかった難しさと面白さが今はたくさんあります。
御存知のかたも多いでしょうが、俳優が余計な動機や欲を見せたた途端、戯曲そのものに見抜かれ、バッサリ斬られ、晒されるコワさ。
それが別役作品に俳優が取り組む上でのスリルと難しさです。
稽古を見てて、やっていて、最初面白かったものが、繰り返していくごとに微妙に変化していき、そうも面白くなくなっていく。
やっていて、見ていて、「あ、自分もこの人も陥ったな…」と、内心ニヤリとしながらそこからの更なる格闘を楽しむことの大切さ。
水沼氏の愛とユーモアを信じて共に格闘すれば、必ずや楽しんでいただける舞台が出来ると信じて今日も稽古します。
[内田淳子 うちだじゅんこ]大学卒業後、松田正隆らと時空劇場結成。『海と日傘』など解散まで全作品出演。
読売演劇大賞最優秀作品賞受賞『月の岬』出演や、水沼健(壁ノ花団)との活動を続ける。
三浦基(地点)演出『Jericho』の演技が太田省吾氏に評価されて以降、実験的パフォーマンスの研鑽も積む。近年はサイモン・マクバーニー演出『春琴』に出演など内外で活躍。
また、多田淳之介や杉原邦生など、気鋭の演出家の作品にも積極的に参加している。
第4回、第6回 関西現代演劇俳優賞女優賞


F.ジャパン

fjapan

F.ジャパンと申します。
壁ノ花団さんのお芝居に出演させてもらうのは、今回で4作品目になります。
光栄な事です。
よろしくお願いします。
初めて壁ノ花団さんの「アルカリ」という作品に出演させてもらった時は稽古の休憩時間にマンガを読みあったりもしていました。
が、それから6年の月日が流れ、今回の「そよそよ族の叛乱」の稽古場では内田さんも金替さんも休憩時間に官能小説を読んでおります。
僕も一冊お借りしました。
そんなアダルトなムードも漂っている反面、福井さんや福谷くんのようなフレッシュな魅力も炸裂していたりします。
ぼくだって何かしら頑張りたいとジリジリしながらケータリングのお菓子をニヤニヤむさぼる日々です。
美味しゅうございます。
もっと頑張ります。
よろしくお願いします!
[F.ジャパン]大学在学中、バンド「ピロティ」で活動する傍ら、フリーペーパー「バッグマガジン」にエッセイを連載。同誌で同じく連載していた劇団衛星代表・蓮行と出会い、演劇の世界へ。2000年より劇団衛星に入団。劇団活動以外にも、多くの演劇公演やテレビ・映画等に出演するほか、ワークショップ講師なども務める。「第11回関西現代演劇俳優賞」受賞。


福井菜月

fukui

水沼さんの演出した作品を見る度に、「これどうやって作るんだろう」って毎回思ってたんです。
実際、今回の稽古が始まって、「ああ、壁ノ花団だなぁ」と思う時が何度もあるんですが、意外にも大きな驚きが無く。
本当に意外にも、違和感なく自分の中にストンと落ちて行くのです。あくまで良い意味で。
その落ちてきたものを上手く出力したくて格闘し続けている毎日です。
お芝居とダンスって、脳の使ってる場所が違う気がするんです。でも壁ノ花団はダンス寄りの脳な気がしています。なんとなく、本当になんとなくですが。
淡々と見えて中はふつふつ、細かいところでこそこそにやにやほくそ笑む。毎日心地良い刺激と緊張感。水沼さんの脳は覗き甲斐があります。
[福井菜月 ふくいなつき]1986年生 三重県出身 ダンサー・俳優 /ダンスカンパニー「ウミ下着」所属
中西ちさとと共にダンスカンパニー「ウミ下着」結成。その他、俳優としても活動中。これまでの出演作に、男肉 du Soleil 『Jのめぞん du Soleil』、ヨーロッパ企画イエティ『ウィークポイントシャッフル』など。


福谷圭祐

fukutani

匿名劇壇の福谷です。
僕も演出をしますが、僕の演出とはなんとセコくて忙しないのだろうと、水沼さんの前で稽古をしていると感じます。水沼さんは、分岐点をわきまえているという感じがします。打つべきときに打つ、そんな感じです。京都へ向かう京阪電車で、のんびりと窓の外を眺めてられずに、台本とスマートフォンと缶コーヒーとウォークマンをジャグリングしている僕は、まあ、若者だなぁと思うわけです。いそいそ族です。僕は。
[福谷圭祐 ふくたにけいすけ]1990年7月28日生 大阪府出身  劇作家・演出家・俳優 /「匿名劇壇」主宰
2011年に結成した「匿名劇壇」では作・演出・出演を務める。近年の主な出演作に、バンタムクラスステージ『洗礼者の接吻』、baghdad cafe‘『TALK ABOUT HER LIFE』など。壁ノ花団には第六回公演『ヤングフォーエバー』に続き、2作品目となる。