『ランナウェイ-冒頭-』

京都公演|2020年9月12日(土) THRATRE E9 KYOTO
 

作品について

逃げている、逃げて逃げて逃げていま、ここにいる。いろいろな名前を使ってここまで逃げてきて結局いまおれは何と名乗っている男なのかすっかりわからなくなってしまったし、そもそもなにから逃げていたのかも忘れてしまったけれど、この空き家にじっとしていればもう思い出さなくてもよい。マジックで書いた髭を消してもいいだろう。庭先にとうもろこしが一本だけ育っている。貴重な水をそいつと分け合って生きている。おれがまず水を飲み、おれから出る水をそいつにかけてやるのだ、いつかそいつを食べるために。「サンマルチノ」と誰かが声をかけてくる。
そんな名前だったかなと、いう気もする。

新型コロナウイルス感染拡大防止対策にともない上演形式を変更し、次年度以降に上演予定の新作『ランナウェイ』の冒頭部分と、執筆にあたり参考文献とした小説「アナクレト・モローネス」(フアン・ルルフォ 作 、杉山晃 訳)のリーディングを実施。
 

クレジット

作・演出|水沼 健
出演|金替康博 内田淳子 F. ジャパン 松原由希子

舞台監督|浜村修司
照明|葛西健一
音響|堂岡俊弘
衣裳|大野知英
宣伝イラスト|木村耕太郎
制作|垣脇純子 谷口静栄
協力|劇団衛星 匿名劇檀 MONO ユマニテ リコモーション
企画・製作・主催|キューカンバー

助成|芸術文化振興基金

京都芸術センター制作支援事業

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